「任天堂カンファレンス 2007.秋」の感想
幕張メッセで任天堂のイベントが開催された。東京ゲームショウに出展しなくなって久しい任天堂は毎年、同様のイベントを開いている。招待制になっていたが、メディアと業界関係者などおそらく1,000名以上が参加していたと思う。
冒頭に岩田聡社長の講演、続いて宮本茂氏による「WiiFit」の実演。そして、Wii、Nintendo DS新作・開発中ソフトの体験コーナーでの試遊。13:30~18:00までの開催であった。
岩田社長の講演
ここ数年の任天堂のゲーム人口の拡大戦略の成功談、そして今回のテーマの継続的なゲーム人口の拡大のための戦略が語られた。
そのための施策として、今回はWiiの次の一手が語られた。
店頭で販売されていないゲームをインターネットを通じてダウンロードできる「Wiiウェア」、新ゲームファン開拓のための「WiiFit」、そして、数々のコアゲーマーのための新作ソフトの発表。今回は特にPS2向けでファンの多かったカプコンの「モンスターハンター」のシリーズ3作目がWiiへの独占供給となることが発表された。
インターネット・ゲーム・ダウンロード・サービス「Wiiウェア」。パッケージソフトを開発・販売する体力のない会社でもゲーム業界で機会をつかめるようにした点が面白い。これまでも懐かしのゲームをダウンロードできる「バーチャルコンソール」はあったが、新タイトルのダウンロードサービスは今回は初である。この手のものは成功を簡単には期待しずらいが、新しい試みとして面白い。新しい才能の発掘につながるかも知れない。市場関係者は当面はアップルのiTunesなどと重ね合わせるのかも知れない。2008年3月サービススタート。
ゲームの定義とゲーム人口の裾野を広げる「WiiFit」。東京ゲームショウの感想で書いたように、OLを中心とした女性層をどうやってゲーム業界にとどめておくかが重要である。今回の講演ではそれだけではなく、家族の中でのゲーム人口の拡大も強調された。ファミコン・スーパーファミコンの頃に家族全員がゲームコントローラーを奪い合った時代を取り戻そうということのようである。年末商戦ではそのために「WiiFit」を全面的にプッシュするようである。WiiFitは今年の米国でのゲームショウE3で発表され好評を博したソフトで、本邦初公開である。「はじめてのWii」、「Wiiスポーツ」以降、こうしたタイトルがなかったので、今後の動向が楽しみになった。
コアユーザー向けタイトル。そして、カプコンの「モンスターハンター3」の投入。Gamecubeでのバイオハザード投入の失敗が苦い記憶だが、今回はWii版バイオハザードのヒットもあり、コアゲーマーの惹きつけが期待される。また、カプコンからは「バイオハザード・アンブレラ・クロニクルズ(バイオゼロのガン・シューティング・ゲーム・バージョン?)」以下、これからもバイオハザードシリーズはガン・シューティング・ゲームとして順次Wiiに移植されるようである。
もう一つ。従来、任天堂のゲームでは、任天堂のソフトばかりが売れると言われきた。しかし、サードパーティーソフトの割合が増えてきていることも語られた。06年のDSソフト売上は77%が任天堂のソフトだったが、07年には50%に低下していると語られた。「ぜひ、サードパーティーにも任天堂向けソフト開発をがんばって欲しい。」私にはそんな風に聞こえたし、このことは任天堂が業界の覇者になるには絶対に必要な条件でもあると思う。
宮本茂氏の「WiiFit」実演
今回のコンファレンスの司会 中井美穂さん、ゲストの五輪メダリストの森末慎二さんとモデルの相沢紗世さんを相手に年末商戦イチオチソフトの「WiiFit」の実演があった。森末さんと相沢さんはCMもやるのだろうか?非常にあっているように感じた。
「WiiFit」には横長の体重計のようなコントローラー「バランスWiiボード」が付属されており、これに乗っかってプレイするのが特徴である。
体のバランスを取りながら行う色々なゲームをプレイして、体重・BMIを計測し、健康管理につなげようというもの。
スキーのジャンプ競技、サッカーのヘディング、フラフープをやったり、ヨガの練習をしたりで、会場に笑いをおこしながらWiiFitのデモンストレーションが終わった。
見ていて思ったのは、「面白そう!」「やってみたい!」。
「WiiFit」は12月1日に、バランスボード同梱で、8800円(税込)。
新作・開発中ソフト体験コーナー
時間の都合があったので、全てのソフトをプレイすることはできなかったが、「WiiFit」、「バイオハザード・アンブレラ・クロニクルズ」、「マリオ&ソニックAT北京オリンピック」、「スーパーマリオギャラクシー」、「大乱闘スマッシュブラザーズX」、「レイトン教授と悪魔の箱」、「ドラゴンクエストⅣ導かれし者たち」を試してみた。
新しさという点ではやはり「WiiFit」が抜きん出ていた。バランスを取りながらプレイをしていると、ゲームをしているというより、体操をしているようなそんな気になってしまった。きっと発売当初はかなり売れるだろう。これが一瞬で失速するか、それとも他の任天堂の成功作品のように半年、一年と売れ続けるのか?今までゲームをしていない人をひきつける可能性は十分ありそうなので、動向が注目される。
バイオハザード・アンブレラ・クロニクルズ(Wii)はマシンガン型のアダプター「Wiiザッパー」にコントローラーを取り付けてプレイするサバイバルシューティングゲーム。残念ながら私はファーストステージのボスキャラ退治はできなかったが、全編シューティングでゲームセンターのような感覚でプレイできるゲームである。
マリオ&ソニックAT北京オリンピック(Wii)は文字通り、マリオとソニックの初競演作品。正直、「だから?」と聞きたくなるコンセプトだが、なかなか面白いソフトだと思った。でも、日本ではソニックの人気はそれほどないし、あまり売れないかなぁ。
スーパーマリオギャラクシー(Wii)は3Dマリオゲームだが、3D酔いをあまりしなかったのが面白い。私はどういうわけか、画面が激しく立体的に動く3Dゲームは酔ってしまう傾向がある。しかし、これは動きを工夫しているのか、あまり酔ったような気分にはならなかった。これはボスキャラ退治もできたのが嬉しかった。
大乱闘スマッシュブラザーズX(Wii)は、コントローラーの使い方も含め、あまり真新しさは感じなかった。
レイトン教授と悪魔の箱(DS)はミニゲームを一つさせてもらっただけ。でも、絵もきれいだし、なんとなく惹かれるゲームである。
ドラゴンクエストⅣ導かれし者たち(DS)はDSの2画面をフルに使っているので、携帯ゲーム機の割りに画面を大きく使えて開放感があるように感じてよかった。最近の若い人にはまだドラクエⅣくらいだとまだ完全な新作なのだろう。と、言いながら自分も買ってしまいそうである(笑)。
今回の全体的な感想。ゲームビジネスは当たり外れのあるヒットビジネスなので、予測を立てるのは難しい。そして、任天堂はここ最近良い状況がしばらく続いてきたので、いくつかの壁(特に、ゲーム人口の継続的拡大、他のコンソールの挽回)にも直面している。今後、いつ息切れするかは、確かに頭に入れなくてはならないテーマである。しかし、今日のコンファレンスを見る限りは、まだしばらくはゲーム人口の拡大を続けられそうな気が感じた。

ノベルティーとして、スポーツタオルとTシャツをもらった。
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毎年恒例で行っている幕張メッセの東京ゲームショウに昨日(9月21日、ビジネスデイ二日目)行ってきた。
残念ながら今、一番勢いのある任天堂はここしばらくの間、このイベントには出展せず、独自の企画を開催している。今年は10月10日に「Nintendo Conference 2007秋」を同じ幕張メッセで予定している。
PS3は、まず、初日に開催された説明会で値下げが発表されなかったのが肩透かしであった。昨年は、発売前の値下げという荒業をやってのけたのだが…。
このように、PS3が失敗しつつある今、マイクロソフトはX-BOX事業の目的はある程度達成されたと思っているとの噂を先日聞いた。
そんな中、LEVEL5の出展は影の実力企業の登場ということで、大きな注目を集めていた。LEVEL5はドラクエシリーズⅧ、Ⅸを実際に開発してきた福岡県の会社である。
他に印象に残ったブースは、スクエアエニックスのファイナルファンタジーシリーズの大量投入による盛り上げ、多彩なゲームを投入して大手としての地位を見せつけたコナミ、セガが印象に残った。個人的には最近勢いのあるカプコンにもう少し期待していたが、若干パワー不足の印象を持った。
しかし、彼女達は世界でも最も移り気な消費者である。今はまだ大丈夫かも知れないが、こうした女性層を一体いつまでゲーム業界につなぎ止めていられるのか?また、逆に定番の時間のつぶし方として、携帯電話のような地位を築けるのか?これからが正念場であろう。