2007年11月22日 (木)

東京のタクシーの禁煙化はネガティブ?

仕事で移動中に、タクシーの運転手にそんな面白い話を聞いた。この人は自分自身が喫煙者ということだが、休憩中に自分が吸えなくなるとか、そう言うことではないらしい。

12月3日からタクシー運賃が値上げになるので、それで「収入が上がりそう?」と聞いていたのだが、その影響は分からないという。値上げになれば、乗車客数が減るかも知れないというのが要点のようだった。

でも、影響が大きそうなのは禁煙化だという。「禁煙。いいじゃないですか!私は歓迎します」と、言うと商売上はそうではないと言う。タクシーの利用客は喫煙者が多いというのである。

この運転手の観察によると、タクシーに乗車する客のうち、男性の約5割、女性の約8割(本当だろうか!?)が車内で喫煙すると言う。

余談だが、男性客の大半は「煙草吸ってもいいですか?」と聞いてから火をつけるが、女性客の大半は乗車するやおもむろに火をつけるか、吸いながら乗車するらしい(怖っ)。

タクシーにとっての上客は、もちろん長距離を乗ってくれる客だが、長時間残業のサラリーマン・公務員、銀座・赤坂近辺で飲む人達に多いとのことである。特によく飲酒して長距離を乗ってくれる人には喫煙者が多いとのことである。

禁煙車になってしまうと、無線で呼ばれて飲食店まで行っても、禁煙車であることが分かると「やっぱりいいや」となるかも知れないと言う。

「全車禁煙になるなら、客があきらめて乗るでしょ?」

と言うと、そうでもないらしい。個人タクシーの一部は喫煙でも良いというのだ。そうすると、今度は喫煙車がそれを売り物に営業できるわけである。従って、禁煙車はその分不利である。

また、女性客で短距離を乗る人や、営業マンでタクシーに乗る人の多くは、喫煙するためにタクシーを使うと言うのである。

「何もそこまで…」

と思うのだが、最近は建物内も街角も喫煙できる場所が少ないので、電車やバスを使えば良いのにわざわざタクシーを使うらしい。つまりは、有料喫煙室ということか。

これが本当なら、こうした人達は禁煙車になれば、わざわざ高いお金を払ってタクシーには乗らなくなるだろう。

なるほど。私は、タクシー禁煙化は大歓迎と思っているが、そんな影響もあるのかといささか驚いた。地方都市のタクシーの位置づけと競争環境は、都内のそれとはかなり違うと言うが、確かにそうなのだろうと納得した。

今は禁煙車は付加価値のような気がするが、喫煙車が少数派になると逆になるということだろう。どんなことでもライバルに対してきちんと差別化できることは大切なのだろう。

そもそも、健康増進のためのタクシー禁煙化なら、煙草の価格を引き上げるのが一番効果があると思うのだが、どうだろう?煙草を一本吸うためにタクシーに乗るのなら、一本700円にしてみてはどうかと思う。その方が、煙草を吸う人の数はドンドン減って健康増進につながると思うのだが…。

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写真は、記事とは全く関係ないが、たまたま仕事でフォーシーズンズ東京 椿山荘のスイートルームを利用する機会があった。窓から見える庭園があまりにキレイだったので、合間にパチリ!

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2007年11月 7日 (水)

バーゲン会場:おそるべし定価と売値のコントラスト

先日、完全招待制、イタリアの某有名ブランドのバーゲンの入場チケットが手に入った。ちょうど一時間ほどの空き時間ができたので、のぞいてみた。

招待券を見せて入場用のリボンと商品を入れる大きな透明のビニール袋をもらい、ホールの中に入った。すると、大勢の人がバーゲンモード全開で商品を漁っていた。

シャツやネクタイが積まれたカゴ、スーツやジャケット、パンツが吊るされたハンガーが広いホールいっぱいに所狭しと並べられている。

「すごいな、落ち着いて選べそうもないし、帰ろうかな…」と、いきなり弱気になってしまったが、

「せっかく来たんだし、ちょっと見てみよう」と、気を取り直して自分のサイズの場所で良さそうなものを探してみることにした。

レザー・ジャケットでちょっと良さそうなものを発見!!とりあえず羽織ってみるとサイズはピッタリ!でも、革をよく見るとずいぶん痛んでいる。

「同じデザイン・サイズのこっちは?あれ、これもダメだ。ずっと倉庫に放置されていたのかなあ。」

と、このあたりで買う気はほぼゼロに。そして、ちょっと他の人を観察してみようという気になった。

すると、、、

みんなたくさん買っている。そんなに安いのだろうか?と値札を見始める。

さっき私が見た商品は、6割引き、つまり10万円引き!定価17万円のジャケットがなんと7万!

安いっ!んっ!?安い?…なんか変だよなぁ。

完全招待制、期日限定、在庫のみ、6割引き。そして、ノリの良い館内音楽。

こうした言葉が財布のヒモを緩めているのだろう。

少し時代遅れになったデザインで、倉庫の奥で少し痛んでいる。それでも、○○ブランドの服である。

腐っても鯛なのである。

それがなんと10万円も安く買えるなんて。ということか。7万円の出費をしなくてはいけないのに、10万円安く買うと得をしたような気になってしまう。

定価・売値のコントラストの力はスゴイなぁと思った。不適切な表現だが、「まるで羽毛布団のサクラ商法のようだ。」そんな感想を持った夕方のひと時だった。

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2007年10月24日 (水)

東京モーターショー2007開幕!!

東京モーターショー2007が開幕した。今日から11月11日までで、一般公開は10月27日からとのことである。私はラッキーなことにプレスデイの今日からのチケットが入手できたので、早速、幕張メッセまで行ってきた。

プレスデイ初日の今日は、テレビニュースでもやっているように各社の報道向け発表が一日中次から次へと行われる。

私は、トヨタ・レクサス、BMW、スバル、三菱、ホンダ、日産の発表を見に行った。

今日は、会場全体では、出展社関係者、プレス関係者、一部の特別招待者くらいしかいないので、週末に比べて極端に空いている。しかし、大半の人がプレス発表に足を運ぶため、私の行く先々のブースでは常に人垣が出来ていた。

そんな中、今年の主役はまぎれもなく、日産の新型GT-Rであった。

GT-Rの発表を待ちわびる日産のプレス発表会場はこの混雑である。自動車もゴーン社長もほとんど見えず…。

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前の方の人は優に30分以上前から場所をキープしていたようだ。

結局、この混雑にめげそうになりながらゴーン社長のスピーチを聞いていただけ。プレス発表が終わり、しばらくたってようやく最前列に行けたので、撮影した。

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この角度からのスタイルは以前から発表されているが、やはり格好いい。

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今回正式発表された顔つき。数日前に米国のWebsiteでリークされていたが、やはり実際に見ると印象的である。ただ、第一印象ではフロントバンパー付近のデザインがいまひとつ好きになれなかった…(若干、アリクイまたはドジョウっぽい?)。

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会場脇ではタテ切りにされたGT-Rも展示されている。

日産の高級車ブランドは海外ではインフィニティだが、このGT-Rは海外でも日産ブランドで売り出されるそうだ。海外でも販売するために、スカイラインの呼称が消えるのは残念だが、私達の世代にはGT-Rは和製スーパーカーというような何か特別な響きがある。

GT-Rはやはり日産のシンボルなので、インフィニティブランドではなく日産ブランドとして発売されたのだと思う。

今日、ワールドビジネスサテライトを見ていたら、何年も仲良くしていただいている日産の方がGT-Rのマーケティング責任者として出演していた。ぜひ、この成功で、最近少し元気がなくなっている日産ブランド、ひいては日産の業績が元の回復軌道に早く戻れることを期待したい。

GT-Rの話題ばかりになってしまったが、今回はそれと呼応するように、主要各社からスポーツカーの発表が多い。

トヨタからは、コンセプトカーのFT-HS、レクサスのLF-A、IS F。ホンダからは、CR-Z。など。

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トヨタ FT-HS

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レクサス LF-A

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レクサス IS F

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ホンダ CR-Z

こうしたスポーツカー出展の背景に何か海外での流れがあるのかも知れない。あるいは、これらのうちコンセプトカーはハイブリッドであることから、エンジン、モーター、バッテリーと多くのパーツを詰め込まなくてはならないのに、こんなに流麗なスタイルを実現できるという技術力をアピールしたいだけなのかも知れない。しかし、日本国内で考えると、若者の需要掘り起こしという面もあるように感じた。

日本の自動車販売は冷え切っている。台数の減少、軽自動車へのシフト。要因については様々なことが言われている。

① 景気が回復しても賃金が伸びない。
② ガソリン高。
③ 性能向上で、自動車の耐久年数が長くなり、買い替え需要が出にくい。
④ 若年人口の減少。
⑤ 自動車ニーズの高い地方都市で特に高齢化が進んでいる。また、地方の賃金回復の弱さ。
⑥ 若年層全体の自動車への関心低下。

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芸術品とも言えるフェラーリを超えるスポーツカーはなかなかないが…。

こうした文脈で考えると、スポーツカー投入は、「⑥ 若年層全体の自動車への関心低下」への対策なのだろう。加えて、子育てが終わり退職したお金持ちの熟年層へのターゲット商品でもあるのだろう。それほど大量に売れるカテゴリーではないだろうが、軽自動車や大衆車に比べれば利益率が高いこともその理由だろう。

最近の若年層は、確かに自動車への関心が低いように感じる。デートの必需品でなくなっていることが大きそうである。きっと、女性に「カッコいい車に乗っている男性はカッコいい」というイメージを持ってもらえるようにマーケティングしていくのが理想なのだろう(もちろん、難しいことではあるのだろうが…)。そう言えば、昔はプレリュードの彼とか、スープラの彼とかいう風に女性が彼氏を友達に紹介していた時代があった。きっと今はそんな風には言わないのだろう。また、GT-Rの彼という言葉が復活するかは定かでない。しかし、GT-Rマーケティング責任者のKさんの努力は、先述のように日産の業績だけでなく、日本の自動車市場の回復のきっかけ作りとなるよう祈っている。

【オマケ】
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実は、このレクサス LF-Xh(現ハリヤーの次モデル。ハイブリッド)が楽しみだった。東京モーターショーが世界初公開である。これは、コンセプトカーで実車は2009年発売とのことである。う~ん、なかなかカッコいい。これからどんな風に開発が進んでいくのか楽しみである。

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2007年9月 9日 (日)

値上げの威力~タバコの値段よ、もっと上がれ!

前回書いた値上げの話で、面白い商品の値上げを思い出した。それは、、、タバコである。

タバコの値上げは、吸う人にとっては最悪だろうが、吸わない人、タバコ会社にとってはうれしい事件なのである。

吸わない人にとっては、タバコが値上げされると喫煙者の数が減るので、自分に迷惑がかからなくなる。

タバコ会社にとっては、確かにお客さんである喫煙者の数が減るのはマイナスなのだが…。実は、他の業種の会社よりも利益がずっと増える(!)のである。なぜだろうか?

まず、タバコの売上の仕組みについて考えてみよう。タバコは税金が高いということが有名である。

タバコ一箱を300円とすると、

国たばこ税 約71円
地方たばこ税(都道府県) 約21.5円
地方たばこ税(市区町村) 約66円
たばこ特別税 約16.5円
消費税 15円
販売店の利益 30円

たばこ会社の取り分(差し引き) 約80円

が大体の構造であるとのことである。つまり、300円のタバコを売っても、税金が大半(約190円)なので、タバコ会社にとっての実質的な売上高は約80円なのである。

この会社が年間125億箱のタバコを売っているとすると、年間の実質売上高は80×125=10,000億円(1兆円)になる。

また、大雑把な利益率を25%とすると、利益額は2,500億円となる。

さて、ある時、このタバコ会社が10円の値上げに成功したとすると、何が起きるだろう。

小売価格は300円から310円になる。つまり、約3%の値上げである。3%の値上げだと、タバコを吸う人はどのくらい減るのだろう?ニコチンは依存性があるから、多分1%がいいところだろう。

大雑把に言って、小売店での売上高は値上げの結果、約2%(3%-1%)上がる。

それでは、タバコ会社にとってはどうだろう?一箱当たりの売上高は

タバコ一箱を310円とすると、

国たばこ税 約71円
地方たばこ税(都道府県) 約21.5円
地方たばこ税(市区町村) 約66円
たばこ特別税 約16.5円
消費税 約16円
販売店の利益 31円

たばこ会社の取り分(差し引き) 約88円

先ほどの計算をすると、88×125億箱×99%(値上げによる減少分は1%)=10,890億円になる。小売価格を3%値上げするだけで、タバコ会社の売上は8.9%(約9%)、890億円も増えるのである。では、利益はどうなるだろうか?

単なる値上げであるから、費用構造が特に変わるわけではない。

大雑把に考えれば、売上高が増えた分、つまり890億円はそのまま利益の上乗せとなる。つまり、2,500億円+890億円=3,390億円で約35%もの利益の増加になる。

これまでの話をまとめると、タバコはたった3%の値上げで、タバコ会社の利益は35%(!)も増えるのである。

実際には、こうしたタバコ会社本位の値上げは政府が認めないので、タバコ増税がされた時に便乗値上げをするという形が取られることが多い。

300円の小売価格に20円増税され、同時に10円の便乗値上げをすると、小売価格が30円値上げされる(10%)。この場合は当然、先ほどよりはタバコを止めたり本数を減らす人が増えるだろう。

しかし、同じような計算をしていくと、利益の増加はさっきほどは大きくないにしてもかなり増えそうである。

同じことは、アルコール飲料でも同じことが言える。ちょとだけ値上げをするだけで、会社の利益は他の業種よりも大きく増えるのである。

1本当たりに占める税金があまりに高いので、消費者が感じる値上げと、会社が感じる値上げの意味が大きく異なってしまうのが原因と言えそうである。もちろん、色々な状況によって、数量は上下するので、常に値上げすれば利益が増えるとは言えない。しかし、値上げ戦略が利益に大きく影響するという面白い例ではないでしょうか?

個人的には、レストランなど公共の場はすべて禁煙にすればいいし、タバコの値段はドンドン上げてもらって結構と思っている。ただし、値上げするなら、企業の値上げではなく、税金を大幅に引き上げて、その分を所得税など他の減税にあてて欲しい。

その場合、タバコの消費本数が減るので、タバコ会社は、その分は便乗値上げで利益を出そうとするので、世の中のタバコの消費本数はますます減るのである。良いことである。

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2007年9月 6日 (木)

おっ値上げ?

日清食品が、チキンラーメンを90円から100円に、カップヌードル・どん兵衛を155円から170円~に一斉値上げするとのこと。

ファミレスのすかいらーくも、全商品の価格を順次、一律10円値上げするとのこと。

また、江崎グリコは、3種類のポッキーで内容量を1割減らすとのこと。

すこし前までは、多くの産業で原材料価格が値上がりした分は、たんに企業がコスト増としてガマンして生産性の改善などで吸収してきた。ガマンできたという面と、つらいけれど価格圧力が強すぎて消費者に転嫁できないという2つの面があったと思う。

ここにきての値上げは、コスト増が業界全体として耐えられないところまで来た、消費の回復は弱いけれど、それでもマクロ景気は回復しそうという2つの理由からだろう。おそらく、他社もつらいはずだから、業界リーダーの自社が行動すれば、他者も同じように値上げするだろうという読みもあるのだろう。

また、こうした動きは他の食品などではすでに起きている。今年の春には、石油に代わるエコ・エネルギーとして注目を集めるバイオエタノールのおかげで、世界各地でその原料になるトウモロコシやサトウキビの値段が上昇。すると、農家は、他のものを作るよりもトウモロコシやサトウキビを作ってお金をもうけようとする。

すると、トウモロコシやサトウキビを作るために、もともと作っていた大豆やオレンジの生産が減って、それらの値段も上昇した。

それに加えて、中国は大豆の輸出国だったのに、経済発展で食生活が良くなり、みんなが大豆を食べるようになったので生産が足りなくなり、輸入国になった。こうして食料需給は引き締まってきた。また、オレンジはフロリダにハリケーン被害が出たことも大きかった。

これらの結果、トウモロコシやサトウキビを使った食品だけでなく、大豆やオレンジを原料にした商品の値段も上がるという事態になった。

代表例の一つはオレンジジュースである。春に各社が値上げしている。また、マヨーネーズは大豆の油を大量に使うので、同様に値上げをしている。

20年ほど昔、米国は日本に対して牛肉とオレンジの輸入の自由化を求めてきた。今でもBSE後、米国は日本に牛肉輸入再開を強く求めたというのは記憶にあたらしい。牛も飼料にトウモロコシなどを使うため、牛肉の値段も今後上昇するだろうと言われている。

こんな風に世界的に食料の需給が引き締まってくると、今後、ひょっとすると、日本は各国に食糧を輸出をしてくれるように頼みに行く日もあるのではないかと心配になる。もし、Noと言われれば、飢えるしかない。日本の農業政策は減反か農家への直接保護しかなかった。しかし、もし、このような食糧安全保障という点から、自給率の向上を納得感のあるコストで進めるのなら、小規模の農家はどんどん統合を進めさせて、規模の経済を享受できる大農・企業を作っていくのが大切だと思う。

「エコのためにバイオエタノールを増やすと、庶民は牛肉を食べられなくなる…。」

皮肉なものである。

値上げということを考えていたら、一つ面白いことを思い出した。眠くなってきたので、次の機会に少し書いてみようと思う。

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2007年8月11日 (土)

見えない恐怖が一番怖い

映画ジョーズなどで、初めはサメの目線で泳いでいるだけの映像。次は水面から突き出た背びれだけ。そして、楽しそうに遊ぶ海水浴客。緊張感が高まるBGMは流れているが、その恐怖の元の全貌は明らかにならない。

観客に何が起きているか事実は伝えずに想像力を使わせ、恐怖だけを高めていく。分からないからこそ怖いのである。よくある演出である。

と、そこに訳知り顔の賢者(映画の場合は大抵は見た目にはただの変わり者)が、最新鋭の外科治療セットと巨大人食い鮫とも戦える武器を持って登場する。「みんな、これで大丈夫だ!!さぁ、早く岸に上がれ!!」と大声で叫びながら。

海岸で見ている人、泳いでいる人、観客は、この装備と大声のメッセージを見聞きして、びっくりする。

「そんな危険なことが迫っているのか?!」

そして、パニックが起きる。

サブプライム・ローン問題が起き、昨日から今日にかけては、欧州中央銀行の早めの金融システム支援策の発表があまりに大規模だったため、かえって金融市場がパニックに陥った。

日本の不動産バブル崩壊後の金融不安を見た各国中央銀行は、早めの十分な対応で危機が本当に深刻なものになる前に対策を打ててきた。

今回もその流れで、とにかく早く十分な対策を打とうという姿勢が、かえって投資家の不安をあおることになったようだ。

もちろん、複数のファンドの危機が現実になり、幾つかのファンドの危機の噂が流れている。そして、現在の金融市場に対するファンドの影響力は確かに非常に大きい。従って、問題を放置すれば大変なことに可能性がある。

背びれしか見せていない水面下の動物は本当に恐怖の人食いザメなのか、それとも大騒ぎするほどのことでもないのか?まだ誰にも分かっていないのだと思う。

しかし、この「十分な対策準備を」という姿勢は決して間違っていない。確かに、今回の問題の影響がどのくらいの大きさでいつまで続くかは、未知数である。しかし、中央銀行・各国政府が問題解決に向けての真剣さを示していることは、良いことであると思う。

来週の金融市場がどうなるか?今時点で欧州各市場は2~3%の続落、一方、ニューヨーク市場は▲0.5%に留まっている。いったん、パニック状態から平静に戻れば、意外と少なくとも短期的には、今回の支援体制の大きさが評価されそうな気もしてきたのだが、どうだろう?

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2007年8月10日 (金)

忙しい季節は一段落。でもまだ嵐の真っ只中

4~6月の第一四半期決算の発表がようやく終息してきた。今回の決算期は株価の変動率の高さがいつにも増しての特徴だったと思う。

とにかく、対前年で増益か減益が重要。そして、上期・通期の業績見込みに対する達成度が重要。この点で良かった銘柄も悪かった銘柄も決算発表直後に大きく売り買いされた。

四半期(3ヶ月)の業績なんて、ちょっとした出来事で大きくブレるのが当然である。しかし、あたかもずっと続く変化が起きたかのような株価の動きだった。会社によっての季節性があることも無視されることがしばしばだった。

結果、四半期の一株利益×4×適正PERに向けて一気に株価が変動することが多かった。従って、決算発表後に一日で株価が10%近く変動することも多かった。

加えて、参議院議員選挙。全く稚拙な対応を重ねての自民党の大敗。その結果を織り込むべく、市場全体が弱かったことも、上の決算後の会社の株価を乱高下させる一因だったと思う。

選挙問題は、中長期の影響はともかくとして、直後には大半が織り込まれていたようだった。

そして何と言っても、アメリカのサブプライム・ローン問題。サブプライム・ローン会社の破綻、そしてその債権に投資していた投資家の破綻が相次いだ。

こうした破綻の増加は、投資家のリスク許容度を減らすことになった。また、低金利の円を売って、それでリスク資産を買っていた投資家もリスク許容度が低下して、為替ポジションを解消した。結果、円が買われ、円高ドル安へ。これは当然、輸出企業株にはマイナスである。また、日本の一部の金融機関もサブプライム・ローン会社への貸付があると見られ、警戒感から株価は売られた。

また、今週に入っては、あるヘッジファンドが破綻するとか、サブプライム・ローン投資での損失を利益を稼いだ株式で穴埋めするために株式の換金売りが出るなど、さまざまな噂も出ている。

結果、先週まで買われていた銘柄は売られ、売れていた銘柄は買われるなど、いわゆるリターン・リバーサルが起きている。この時期のリターンリバーサルは、それほど続くことはあまりないので、本来なら格好の買い場、売り場となるはずである。

しかし、中期で見ていると、何かおかしいことがありそうな気がする。秋に向けて、市場全体の動きにも注意を払う必要がありそうだ。

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2007年8月 6日 (月)

ヤマ~ダ電機♪(ヤマダ電機LABI池袋店)

6月10日に書いた通り、池袋のビックカメラ本店の二軒隣という間近に、ヤマダ電機のLABI池袋店が7月13日に開店してから1ヶ月弱。昨日、駅まで行った時にちょっとだけ立ち寄ってみた。

まず、入り口そばに飾られたこの「お客様への5大サービス」が目を引く。

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① 全館上り・下り専用エスカレーター完備!
② お客さま専用エレベーター3台完備!
③ 各フロアトイレ完備!身障者用トイレも1Fにあります。
④ 広い通路で見やすい!選びやすい!
⑤ 各フロア、休憩スペース完備!

と書いてある。

そもそも競争をする時には、他社より自社がどれだけ優位にあるかをアピールすることが大変大切である。

ヤマダ電機は売上高でビックカメラの3倍近い大きさ('06年度売上高 ヤマダ電機 14,400億円、ビックカメラ 4,800億円)なので、メーカーからの仕入れ価格・条件はヤマダ電機の方が有利だろう。

したがって、同じ価格で販売すれば、ビックカメラよりもヤマダ電機の方が利益が出るはずである。しかし、価格+アルファで勝負を挑みたいところである。そこで、この5大サービスなのだろう。

ちなみに、二軒隣のビックカメラ本店は、

① 下りエスカレーターはない。
② エレベーターは二台しかない。
③ トイレは各フロアにはない(2、5、8階のみ)。
④ 通路は狭くごちゃごちゃしている。
⑤ 休憩スペースはない。

と、明らかにビックカメラ本店に対するLABI池袋店の優位性をアピールしているのである。実際、少し回って見てみると、それぞれのポイントは納得の便利さである。

そもそも敷地面積がビックカメラより少し広い気がする。上の5つのポイントは、広い敷地があるからこそ作れる強みだと思うし、おそらくヤマダ電機は、設計の段階からこうした点を差別化のポイントにしようとしていたのだと思う。

おそらくこれだけ近いのだから、両店の価格はほとんどの商品で差はないだろう。すると、長期的には買い物をしやすいヤマダ電機のお客さんが増えていきそうな気もする。

ビックカメラは、池袋だけで5店を持ち、本店の真向かいにパソコン館、少し離れたところにカメラ館を擁する。ヤマダ電機に負けないようにするには、本店をはじめとした総合店の魅力だけでなく、こうした専門館ならではの強み(品揃え、店員の商品知識)をどのようにアピールするかが重要である。

誰もがポイントカードを持っているので、専門館などでビックカメラのポイントを貯めている顧客はビックカメラ本店とLABI池袋が並んでいても、ビックカメラ本店で買い物をするだろう。

ちなみに、顧客の数を目計算だけで比べてみたところ、やはり今の所は圧倒的にビックカメラの方が多いようである。ポイントカードの力なのだと思う。かく言う私も昨日は、結局ビックカメラで買い物をした。

しかし、ポイントは使えばなくなる。したがって、次第に今の顧客がヤマダ電機に移っていく可能性は十分にある。まだまだ勝負は始まったばかりである。

ちなみに、この大手2店の競争は、池袋自体の盛り上げの一助にはなっているようだ。サンシャインシティのバス駐車場からLABI店への無料シャトルバスが出ているのを見て、そんな風に思った。

消費者としては、もっと派手に競争してもらって、安い買い物をしたいものである。

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2007年7月10日 (火)

ガンバレ、生え抜き社長!

何年も前に、A社は、外資系企業に買収されて、その傘下に入った。つい最近までは、本社から送られる外国人が社長をやっており、かつ厳しいリストラを行ってきた。ようやく業績回復に目処がたち、今年、その会社ひさびさの生え抜きの日本人新社長が決まった。

私はこの話を聞いた時、素晴らしい人事だと思った。外資系企業の経営に本国の人間を経営者として送り込むと、多くの場合、従業員のやる気が低下するからだ。一生懸命働いて経営トップを目指したとしても、どうせ経営者は本国から送られてくるのだから…。となってしまう。日本の外資系企業でもそうだし、海外の日系企業もそういう傾向がある。

従って、今回のケースでは、数年ぶりに買収された会社のトップに生え抜きの人材を据えたのだから、他の従業員にも夢とやる気を与えるのではないかと思っていたのだ。

今日は、その会社で働く旧友と昼食をとりながら、近況報告や思い出話をしていた。話がこのことにおよんで、「いい人事だったんでしょ?」と聞くとそうでもないとのこと。

意外。。。

買収前には営業経験者が歴代の社長となっていたが、新社長は財務出身であるとのことが問題らしい。営業部門の人間はこの点が気に入らないらしく、批判勢力となっているらしい。

「しょせん会社の中のことなのだから、もっと気持ちを大きく持てば?」と私は思うし、「知らない外国人が社長をやるよりもいいじゃないか?」とも思うのだが、全く人間の心理というのは不思議なものである。

前に、「隣は何をする人ぞ?」と書いた。内容をまとめると、転職してきた人が自分と違う待遇を受けても何とも思わない。しかし、前からの同僚が突然自分とは違う待遇を受けると強い嫉妬心をもつ傾向があるということである。今日の話はまさに同じことである。

社長の立場はしばらくは楽ではないのかも知れない。社内での静かな反対勢力と海外本社からの業績へのプレッシャー。私は、本当に影ながらだが、この社長を強く応援したい。こうした状況下で社長に選ばれたとのは、仕事で実力があるからだろうし、こうした嫉妬心を持った反対勢力も中期的に自分の味方にしてしまう能力があると思うからだ。

こうした嫉妬心というのは人間の本質的な一面かもしれない。しかし、これを理解した上でぜひ上手な経営を行っていただきたい。僭越ではあるが、エールを送らせて下さい!フレーフレ!

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2007年7月 7日 (土)

自動車ディーラーの比較感想~③ レクサス

BMW、メルセデスベンツと見て、今日は第三回最終回のレクサス。結局、自分が選んだので多少バイアスがかかっていると思うし、店によっていろいろ違うと思うだが、前回までと同様に実体験に基づいた話であると断っておきたい。

まず、店舗の内外装は、レクサス開業時にいろいろなメディアに書かれたので言うまでもないが、やはりずいぶんお金をかけたという感じ。

また、セールス以外の店員には何人か、異業種の有名ブランド品会社からの転職者もいて他の自動車ディーラーとは少し違う感じ。しかし、ホテルのような快適なサービスというには、残念ながらかなりの無理がある。ただ、一つ言えるのは、一流ホテルでも開設1~2年は目も当てられないくらい悪いサービスであることが多いので、これからに期待すべきかも。

セールスの応対は、価格の話になると「値引きはできないんですよ」が会話の中に出てきたが、これはまぁレクサスの売りの一つと言えるのだろう。これをいつまでガンバって維持できるかに5年後くらいのブランドイメージがかかっているようにも感じる。

私のセールスはBMWの気配りセールスマンとはずいぶん異なり、丁寧だが売る気があるのかないのかよく分からないタイプの人。しかし、ずっと後に知ったのだが、どうもかなり成績が良い人らしい。「見かけによらないものだなぁ」と思うとともに自分も買ってしまった手前、「やはり何かあるのか」と今でも疑問に思うことが多い。

レクサスで一番感心したのは、会社としてのきちんとした連携の良さ。さすが日本企業と言うべきだろうか?急に訪ねていって担当セールスがいなくても、マネージャークラスが非常に丁寧に応対してくれるし、電話をかけても同様。おそらく情報がきちんとオンライン管理されているのだろう、私が何の商談をしていて、どういう要望を持っていたかも大体理解していてくれる。

購入後に気づくのは、整備士の方の対応の丁寧さと、ブランドを構築中だからだと思うが、試行錯誤しながら実施している様々なイベント。

整備士の方の対応は実に丁寧で、作業内容の説明、こちらの要望に対する返答、料金の説明など気持ちが良い。

イベントの方は、大半はセンスを疑うようなものが多いが、中には良いものもある。私が購入した時には、シャンパンのブーブクリコとの共同キャンペーンをやっていて、成約時にハーフボトルをくれたのは丸。正月に行ったときには、大吟醸酒を御屠蘇として土産にくれたのは良かったが、銘柄は菊正宗。これはイマイチ。また、演奏会があったのだが演奏が某有名人だったがおよそブランドイメージとは似つかわしくない人でこれもダメ。こんな感じである。

車ディーラーなので店舗内でアルコールを出すのは難しいかも知れない。しかし、例えば、ロンドンのベントレーではたまにシャンパンパーティーを開いて顧客同士の交流会を開いたりしている。見ていてもなかなか良い感じである。

トヨタディーラーはもともと直販系が少ないので、各店がいろいろ苦労しているのではないかとも思うが、トヨタ内のレクサス事業部のアドバイスなどをもう少し積極的にやっても良いのではないかと思っている。今なら、幻の焼酎定価販売会とか良いと思うのだが、どうだろう?

ただ、これも後日談であるが、ベンツのケースの時と同様にレクサスのブランドセミナーの時の話を伝え聞いたもの。レクサスのマーケティング担当者は、ディーラーの話になり私の担当店の話をされたところ、その店がどういう経緯でできた店か、どういうセールス担当者がいて云々ということまできちんと説明できたそうである。この点はベンツとは大きな違いだと思った。

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2007年7月 6日 (金)

自動車ディーラーの比較感想~② メルセデスベンツ

昨日はBMWのディーラーについて書いたので、今日はもう一つの独車の雄、メルセデスベンツについて。

ベンツファンには申し訳ないが、私が行ったベンツディーラーはおそらく数ある中でも最低の部類の入るのではないかと思う。従って、私が体験した事実だけを記しておくが、特に悪気はないので、ご理解いただきたい。ただ、多少は記憶があいまいな部分もある。間違っている部分があればそれは陳謝したい。

さて、その店の外観は特に問題はなく、普通のディーラーであった。しかし、車で乗りつけても、セールスマンが出てきて駐車スペースまで案内してくれたり、運転を代わって運んでくれるわけでもない。窓を開けさせられ、指で示された方角にある駐車場に勝手に停めてくれとのこと。

この時点ですでに、なんとなく嫌~な予感がした。

駐車場はなぜか、ベンツが多く止まっている。さすがベンツディーラーと思いながら、店の中へ。入ってまたビックリ。Sクラスが堂々と飾ってあるのは良いのだが、店の隅の商談スペースは町の不動産屋といった風。

メタル製の灰色の机に緑のゴム製デスクマット、大黒様だったか木彫りの熊だったかの置き物、どこかの保険会社が置いていったのだろうか、決してお洒落とは言えないカレンダー。そして、閑散とした店内に二名程度の活気のない店員がうろうろしている。

車を見たいと告げると、顧客カードに個人情報を書かされ、それから2階に案内された。

エレベーターが開くと、暗い倉庫のような部屋に雑然と所狭しと並べられたベンツ、ベンツ、ベンツ。しかし、明かりをつけてくれる訳でも案内してくれる訳でもない。こちらも見る気がなくなり、早々に切り上げ、買おうと考えている車種を告げ試乗できるかを聞いてみた。

しばらくして、別の人が来て可能とのこと。そして、待っていれば車を出してくれるのかと思えば、駐車場まで同行して欲しいとのこと。仕方なく歩いていくと私の車のそばに止められた車に乗るよう指示をされた。高級品の在庫をこんなにたやすく野ざらしにしているのだと少し驚く。

車自体は良い車で、試乗中にはきちんとポイントを押さえた説明とさりげない販促トークをしてくれた。試乗を終え見積もりを出してもらい(手書きの計算書…、コンピューターなどあるのかないのか…)、帰路についた。

帰る頃には、このディーラーで買うとこんな店と付き合っていくことになるのかと、この時点でベンツという選択肢は私の中で完全に消えた。

◇◇◇ 後日談 ◇◇◇

私のこの話をメルセデスベンツ・ジャパンのマーケティングヘッドに何かのディスカッションの時にして、言葉に詰まらせてしまったとの話を後日聞いた。自社の最前線がどうなっているかも知らなかったというのは驚きである。

そして、しばらく考えて「ディーラー網を洗練させるのは確かに自社の課題である。しかし、店の作りはそれほどは重要でない。なぜなら、重要な顧客のところには車を持ってセールスマンが出かけていく。お客に店に来させるようなことはしないからだ。」とのたまったそうである。

よくも言えたものである。私はやはり重要な顧客ではないのですねと。この話を聞いて、ベンツの車としてのブランドの強さとターゲットマーケティングに徹するという姿勢はよく分かった。これでもあれだけ売れるのだ。正直驚いた。とともに、やはりベンツは買いたくないなぁと思った体験である。

ベンツファンの方、ほんとすみません。

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2007年7月 5日 (木)

自動車ディーラーの比較感想~① BMW

昨日、レクサス、BMW、メルセデスベンツのことを書いたら、メーカーの系列によってディーラーの違いが大きくあることを思い出したので、そのことを少し。この話は100%私の実体験による主観なので、同じ系列でもディーラーによってカラーもサービスも違うと思うので、悪しからず。ただし、全て事実です。前回、車購入時に結局選んだレクサス、購入しなかったBMWとメルセデスベンツの3ディーラーに何度か足を運んで検討した。今日は少し眠いので第一回としてBMWだけ。

BMW

私が行った店は、内装はまずまず清潔だったが、少しせまい感じがした。ただ、車の並べ方は、スペースに対してはギリギリ快適さを損なわないレベルで車4台を並べたフロアは、まずまず落ち着いて車を見れる感じだった。

サービスレベルは全体に中の下という感じ。サービスという点で顕著に感じたマイナスは、セールスマンが自分の客以外にはほとんど関心がないこと。

足を運び始めて何度目かに、事前連絡をせずにぶらっと立ち寄ったら、たまたま私の担当者が半休を取っていた。他のセールスマンに話しかけると、初めは対応が良かったが、自分の客ではないと分かった途端に素っ気ない態度に変わった。この態度の豹変は、それだけでこの会社から買っていいのかなぁ、というくらいに気分を害するくらいだった。実際はこの体験と購入決定はあまり関係なかった気がするが。

担当者が不在なら仕方がないので、帰ろうかと考えていると、その店の責任者風の人に話しかけられる。事情を説明すると、担当者に連絡をしてみるから待って欲しいとのこと。5分もしないうちに電話が取り次がれ、「今すぐ出社するから、ぜひ待っていて欲しい」とのこと。そして、近所に住んでいたようで、20分くらい待つうちに休みを返上して担当セールスが現れ、接客をしてくれた。本来ならこの店長なりが、きちんと接客して私の担当者にフィードバックしてやればいいだけのことである。しかも休日に30分余りも無駄な時間を使わせて、それでいいと思っているだけでも気分が良くなかった。

ドイツの企業なので、もう少し欧州大陸のカルチャー(勝手に私は日本企業に近い「協力」のノリを想像しているが)かと思っていたが、質の低い米系企業のようでがっかり。米系企業でも質の良い会社は、チーム内でのバックアップ体制ができていて、会社としての顧客の信用作りに一生懸命な先が多い。

この個人主義的な雰囲気は、自動車のセールスマンだから当然と言えばそうかも知れないが、きっとセールスマン個人を何台売った、いくら売っただけで評価している点が多いのだろう。客の立場からすると、ぞんざいな扱いを受けたその瞬間にブランドそのものに対する失望の芽が芽生えてしまうのだが。

他の店ではもっとよく教育されているかも知れないし、逆にもっとひどいかも知れない。

ただ、きちんと弁護すると、私を担当した某セールスマンは素晴らしかった。車を見に行った当日、寄り道をして家に帰ると手書きのお礼状がマンションのポストに入っていたり(わざわざ自分で家まで来て投函したんだと思う)、週末前にもまた車を見に来るよう勧誘の手紙がきたり。

また、車の説明もうるさすぎず、さりげなくBMWの良さを刷り込むような話法で話しかけてくる。また、比較している他社の話をしても、しっかりした話法で、ライバル社の批判は直接せずに、やんわりとBMWの優位を訴えてくる。そして、詰めてくる時には適度な押しで決断を求めてくる。

最終段階ではBMWよりレクサスに気持ちが傾いていたので、いくつかの点で、最終的には「残念ながら・・・」と断ってしまったが、もし、次にBMWを買うならこの人がいいかも、と思わせる要素が多分にあった。

このセールスマンについては後日談がある。他社の車を買った直後に、その車を見てみたいし、新しいモデルも入ったから見に来て欲しいとの手紙。それに添えられていたのは、友達紹介の依頼カード。なかなかやるもんだ。

そして、車購入後ちょうど1年を過ぎると、またさりげない手紙で来店を促す内容。おそらく、車検前には電話をかけてくるのだろうと思う。成約しなければ友人紹介依頼、また、次の車購入タイミングの探りと次はひっくりかえしてやろうとする意気込み。これまたなかなかのものだ。

でも、このセールスマン、こんな風に私にやや腹黒と思われてしまうのは、そもそもイマイチということなのか?う~ん、難しいですが、本当に良い人でしたよ。

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2007年7月 4日 (水)

レクサスもずいぶん見かけるようになりました

毎日、出勤・外出していると、以前はほとんど見かけなかったレクサスをよく見かけるようになった。私の行動範囲はオフィス街が多いので、その大半がLSである。

レクサスは、2005年8月の発表時には米国で伝説的な成功をしたブランドの日本上陸ということで大きくはやされた。

しかし、初めのお祭り騒ぎのあとは売上が伸びず、今度は、レクサスの失敗として批判する記事や書籍が相次いだ。トヨタの首脳も当初の目標が野心的過ぎたことを認める発言をした。

しかし、旗艦モデルのLSの発売後は勢いを取り戻し、5月のLSハイブリッドモデル後はさすがトヨタといった論調にメディアなども変わってきたようだ。

以前から興味本位で見ている数値がある。レクサスの新車販売台数である。毎月、社団法人・日本自動車販売協会連合会が統計データとして発表しているブランド別統計に掲載されている。

Register2

その数値を元に私が作ったのが上のグラフ。棒線は毎月のレクサスの新車販売台数(台、左軸)、折れ線は分かりにくいが、ライバルと評されていたBMW、メルセデスベンツ、レクサスの合計販売台数に占めるレクサスの比率(%、右軸)である。

これを見ると顕著で、レクサスは立ち上げ当初の2005年10~11月までは勢いがあったが、以後急に失速。1年余りの低迷の末、2006年9月のLS投入後は息を吹き返しており、現在は、BMW、メルセデスベンツ、レクサスという中ではちょうど3分の1のシェアを取っているように見える。

このグラフを見ていてもう一つ気がつくのは、3月、6月、9月、12月にはレクサスのシェアが低下することだ。これは、BMW、メルセデスベンツが四半期末には、決算向けに値引きを通常月よりも大目に提示して台数を稼いでいるためと思われる。

私も前回、車を買った時にBMWの担当セールスから今月一杯に成約すれば、値段を安くすると持ちかけられた。レクサスは値引きをしないと言われるが、これはレクサスがすごいのでなく、トヨタのレクサスに対するコミットメントの証左とブランド力という点ではまだ先行ドイツ2社に劣るという2つのことを示しているのだと思う。

レクサスは日本ではあまり強いブランドを持たないので、数年かけて顧客の信頼を得る必要がある。その時に高級ブランドとして売り出すのに割引をすると長期的にはしっかりしたブランドにはなりえない。安売りを認めれば元トヨタ系ディーラーはその営業力で短期的には多くのレクサスを販売できるだろう。しかし、一方では安売りのブランドというイメージになり長期的には明らかにマイナスである。

これを避けるために値下げをせず(陰でやっているかは知らないが…)、中古車買取りによる中古車市場のコントロールもやって価格維持を図っているのだと思う。中古車価格がもしも安くなると、新車購入者は誰もが下取り時の値落ちをおそれるので、新車価格も下げざるを得なくなってしまう。

こんな理由でレクサスは価格維持をしているのだろうが、BMWやメルセデスベンツはブランドが確立しているので、いろいろな価格政策をその時々に応じて使えるのだと思う。しかし、一方で特にベンツの場合はヤナセ以外の販売店には問題点も多いと思っているが…。それでもなお、誰もがBMW、ベンツというと高級車と思ってもらえる。

一方、勢いを取り戻したかに見えるレクサスだが、今後どうなっていくだろう?「社長の車は…」という本があったベンツではないが、街を見ていると気がつく通り、社有車向けのトヨタセルシオからレクサスLSへの乗り換えが多いように感じる。これが果たしてレクサスブランドにとってプラスかどうかが私の疑問である。トヨタというちょっとオジサン臭いイメージがつきまとうレクサス。そして社有車という、より一層オジサン臭さを引き立たせる用途の車の多さ。LS自体は素晴らしい車だと思うし、デザインも格好いいと思うが、どうしても社有車というものにモッサリ感を感じてしまう。これは私だけだろうか?

今後、レクサスはスポーツセダンISのクーペバージョンのIS-F、高級スポーツカーのLF-Aを投入する。また、2008年にはトヨタハリアーがレクサスブランドとして戦列に加わる。旗艦モデルとはいえ、ちょっとオジサン臭いLSのイメージばかりが先行せずにスマートで洗練されたイメージ「L-Finesse」を築けるかどうか?私もレクサスユーザーとしては若干気になるところである。BMWのセールスからは今でも時々、車を見に来るよう連絡をもらう。次に乗り換えを考える時にはレクサスブランドはどうなっているのだろうか?日本人としては期待したいところである。

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2007年6月30日 (土)

任天堂さん、どうもありがとう。

株主総会開催のピークが過ぎた。今年は、TBS(提案株主 楽天)、ブルドッグソース(同 米スティールパートナーズ)、Jパワー(同 英TCI)など株主からの提案は30社超で過去最高だったらしい。しかし、こうした株主提案はことごとく否決された。

こうした日本の株主の決定に対しての、海外投資家の反応はおおむね「予想の範囲だが、やはりガッカリ」ということのようだ。

「株主の利益ではなく、身勝手な経営者の保身を日本の株主は認めてしまった。日本では欧州市場ですら大きくなれたファンドの活動は難しいかも。結果、日本の企業のガバナンス改革は進まず株主価値の向上は図られない、云々」

というのが、株主の「ガッカリ」の中身だと思う。この点は株式市場はじめ、メディアでもよく話題にのぼっているので、ここでは触れない。

一般に株式市場では、投資家の意見をとり入れない経営者は悪い経営者で、そうした会社の株主価値が上がらないと思わえる傾向があるようだ。

もちろん、逆も真なりで、投資家の意見を聞く会社は良い会社で、そういう会社の株主価値は上がると思われる傾向がある。

果たして本当にそうだろうか?私のような立場の人間がわざわざ株主の立場を自嘲するわけではないが、ふと思い出したことがあるので、今日はそんな話を。

今は、セガサミーホールディングスのグループ企業になっているかつてのセガ。古くは16ビットのメガドライブ、32ビットのセガサターン、64ビットのドリームキャストといった家庭用ゲーム機を発売していた。

しかし、プレイステーションで成功したソニー、ゲームボーイで成功した任天堂に大差をつけられ、経営が悪化。投資家は、大赤字を出しているハードから撤退すれば、セガの持つバーチャファイターシリーズ、米国で人気のあるソニックザヘッジホッグシリーズなどをプレイステーションや任天堂向けのソフトを売ることができるので、経営が改善すると考えた。

つまり、ドリームキャストをやめればハードの赤字がなくなり、ドリームキャストにしか出せなかったセガのソフトをソニーや任天堂のハード向けにも売れるようになり、ソフトの黒字が増える分だけ利益が伸びると言うわけである。

セガは結局のところ大赤字を出していたドリームキャストから撤退した。いよいよ、ソニックやバーチャファイターをプレイステーションやゲームボーイで遊べるようになるのである。加えて、故大川会長(当時)が私財で過去の赤字の穴埋めをしたので、投資家はこの決定に感動、興奮し、株価は大きく上昇した。しかし、現実にはソフトの販売遅延や不振がそれに続いた。また、ネットワークゲームでもサーバトラブルなどで評判落とし、再び業績は悪化した。

私の事後の解釈だが、結局のところセガのゲームはセガファンのためのもので、必ずしも誰もが買ってくれるものではなかった。他社ハードではセガのゲームは他社の似たようなゲームと戦わなくてはいけない。例えば、ソニックはセガのゲームでは人気があったが、任天堂向けに投入するなら当然マリオとファンを取り合いしなくてはいけない。こうした中での売り上げ拡大はそれほど簡単ではない。

今からすると、赤字の額からしてもドリームキャストからの撤退は不可避だったと思うが、「ソフトだけならいい会社になるに違いない」という投資家たちの期待は外れたのである。

一方、任天堂は、ゲームキューブの不振、市場を独占していた携帯ゲーム機へのソニーPSPの参入予定などで、厳しい状態が続き、当然株価も低迷した。

そんな中、特に海外投資家の関心事は、任天堂が家庭用のハードをやめてPS2にもソフトを供給をすれば売上や利益が増えるのではないか?PSPが参入してくる携帯向けゲーム機では、携帯電話にもソフト供給をすれば売上や利益が増加するのではないか?ということだった。

しかし、任天堂はセガのように赤字を出していなかったこともあるかもしれないが、ゲーム業界のパイオニアとして、その意見は全く大きく違っていた。当時の説明はたしか、

家庭用ゲーム機では、
① 自社ハードを持つからこそ任天堂は面白いソフトを作れる、
② 家庭用ゲーム市場は日本ではすでに飽和、欧米も今後飽和に向かう。だから、全く新しいゲームを提案して市場を拡大しないとゲーム業界自体がダメになる。これは他社がやっている画像表現のリアルさでは解決できず、新しい遊びを提案できるアイデアがなくてはならない。

携帯用ゲーム機では、
① 携帯電話にゲームを一本2~3百円で販売したら、任天堂ゲームの価値の低下を招いて自分たちの首を絞めることになる。
② 携帯電話は任天堂のゲーム機のライバルなりうるなら、敵に塩を送るようなことをするべきではない。

と任天堂は繰り返し説明していた。そして、当時のWii(家庭用ゲーム機)の開発コード名はまさに「レボリューション(革命)」というものであった。しかしその頃には、ポケモン人気が一巡し、マリオが子供たちのヒーローから少し地位を落とすなど、多くの人が任天堂の将来を危ぶんでいた。

そんな中投入された任天堂DSは多少のヒットはしていたが、当初から人気爆発というわけではなかった。「ゲームをしていない人にもゲームを」という、ゲーム市場のすそのの拡大は、日本では2006年正月の松嶋菜々子さんの脳トレのCM以降はじまった。家電量販店で、老夫婦が孫にすすめられたと、店員に聞きながらDSと脳トレを買っている姿が印象に残っている。

また、Wiiも今まさに大成功を迎えている。一方、先週は、PS3の売上不振に苦しむソニーの時価総額は任天堂に一時抜いた。

この2の例で言えるのは、投資家の意見はあてにならないことも多いということである。当時、ハードから撤退するべきだと主張していた投資家は、今度はWii、DSをどんどん作れと言っている。

なぜ今日はこんなことを書いたかというと、実は任天堂DSのファイナルファンタジー12をやっているのだが、かなりハマっているからである。

任天堂はDS、Wiiで、ゲーム機に新しさを吹き込むことに成功して、当初のねらい通り、女性や老人という新ユーザーの獲得に成功した。ペン入力(DS)やヌンチャクコントローラ(Wii)で初心者でもゲームを楽しめたり、コントローラを振り回しながらメタボ解消もできるようにした。

ふと、以前の投資家たちの浅薄さを思い、こんなことを言いたくなったのである。

任天堂さん、こんなに面白いゲーム機をありがとう

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2007年6月29日 (金)

落としどころはまだ見えない

週末なので少し時間を取って、先日書いてみたTBS・楽天問題のその後を追ってみた。

6月18日、エービーシー・マート三木正浩会長が代表をしている不動産会社「イーエム・プランニング」がTBS株を大量売却していたことが、TBSが関東財務局に提出した大量保有報告書で判明。3月末時点に9.91%保有していたのが、3.35%に低下していたのである。

売却先は発表されていないが、TBS側についている野村證券の仲立ちによる時間外取引で、相当数の株が取引されているため、TBS側の複数企業が少しずつ買ったのではないかと噂された模様。

株主総会で議決権は3月31日の株主で決まるため、株式を売却したとは言え、イーエム・プランニングの立場は重要だったのだが、上の売却の状況を考えると楽天側に有利な投票はしてくれそうもないと推測された。このため、TBSの有利、楽天の不利が大勢の意見となった。

それでは、TBSが株主総会で何%取れるか、特に極めて重要な決定をする時の66%を確保できるかが注目されるようになった。今回、楽天側は株主提案として、①役員の受け入れと、②買収防衛策発動に株主総会で66%の同意を必要とするルールにする、の2件の成立を求めているが、この提案は50%超の反対でTBS側は却下できる。また、TBS側は買収防衛策の導入を求めているが、これも50%超の賛成で成立できる。

しかし、後日、実際に発動された時に、楽天側が裁判所に訴えても、今回の総会で買収防衛策導入を66%の賛成させておけば、圧倒的多数の株主の同意ということで、TBSが有利にたつ可能性が増す。

結局は既報のとおり、6月28日の株主総会では、楽天側の株主提案は2件とも否決され、TBS側の買収防衛策は当日行使された議決権の77%(全議決権の74%)という圧倒的な得票を獲得て成立した。

今後の焦点は、TBSの企業価値評価特別委員会は、最長9月半ばまで楽天が「乱用的買収者」に当たるか検討して、発動するかを判断する。

発動となった場合、楽天側はこれに対して、①そもそも企業価値評価特別委員会のメンバーにTBSに対して友好的な人(会社)がいるので独立性がないと訴える、②楽天が乱用的買収者とした判断妥当性などについて訴訟を起こすかも知れない。

楽天側は長期戦をする気なら、まずは自社の株主への説明責任として20%まで株式保有を増やしてまずTBSを持分法関連会社にするだろう。しかし、それ以上は、委員会の判断が出るまでは楽天側もやりにくいのではないか?

しかし、出口の見えにくい状況である。楽天にまだ裁判などの選択肢があるうちは、早期解決に向かうと考えるのはまだ早いだろう。かと言って、20%を超えて楽天がTBSを買い進んでいく状況も考えずらい。

当然ながら、株価で見た場合には、楽天がTBS株を買えば上がるし、売れば下がるのである。しかし、時間の問題は除けば、楽天は元の膠着状態もどるか、もしくは金融機関による説得で名誉ある撤退を選択するかくらいであろう。しかし、このどちらにしても、株価にはプラスにはなり得ない。

すると、どっちにしても株価は下がっていってしまうのだろうか?証券会社のアナリストは「今のTBSの株価は楽天による買い増し期待で割高になっている」と考えている人が多いようである。したがって、そのどれもが選ばれても調整のスピードに違いこそあれ、TBSの株価は下落する可能性が高そうである。

前回は株主総会後の楽天の動きが注目としていたが、これだけ圧倒的多数の賛成を元にした買収防衛策は、TBSがよっぽどの失敗をしない限りは裁判しても楽天側の勝ち目は薄そうに見える。

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2007年6月22日 (金)

環境にやさしく、カッコよく。

環境保護について、最近大事だと思っていることを書き忘れていたので、今日も続きを少しだけ。つまり、環境に優しいとか環境を守るとかいうことが、みんなの間でカッコいいことだと思われることが意外と大切だというお話。

世の中には自分勝手な人が多い。もちろん、そんな人ばかりではないけれど、社会全体として見るとそうなっている(つくづく)。ただ、誰もが自分の利益のために行動をするというのは、経済の大前提なのでこのこと自体は大きな問題ではない。

ただ、公害や環境といったことを考えると困ったことである。個人が自分の利益だけを考えて行動していると、意外なことでも社会全体のためにならない(周りの迷惑になっている)ことがある。

身近に考えるために、個人の例で。自分の住んでいる街で泥棒が増えると、みんな自分の家は守りたいと思う。ここで仮に世の中に泥棒を防ぐ効果的な方法が二つしかないとする。警備会社のステッカーを貼ることと、人目には分からない赤外線装置を付けることである。

① 警備会社のステッカーを貼ること
本当は警備会社と契約していなくても、門に貼り付けられたステッカーを見た泥棒はその家に入りにくくなる。
② 赤外線の防犯装置をつけること
外観からは分からないが、泥棒が家に侵入しようとすると作動して、警察がかけつけることになる。

ステッカーは安価で、赤外線は高価である。あなたはどちらを選びますか?

警備会社のステッカーを選ぶ人が多いだろう。では、今度は、近隣の家に住む人の立場で考えてみよう。

警備会社のステッカーを見た泥棒はその家を避けて、近隣の家に入るだろう。結果、近隣の家が泥棒に入られる可能性は、あなたが何もしなかった場合より高くなってしまう。

一方、高価な設備を導入した赤外線装置の場合はどうだろう。あなたの家が泥棒に荒らされる可能性は赤外線装置をつけると低くなる。また、泥棒が侵入する時には、あなたの家も候補に入っているので、近隣の家が荒らされる可能性は、何もしない場合と同じである。したがって、②を選んだ方が世の中のためになると言うわけである。

少し極端な話だが、これは、「自分だけよければ」と考えると周りは迷惑をする例としてよく使われる話である。

会社の場合は、常に株主のために利益を追求し続ける必要がある。例えば、工場の廃液を近くの川に流し続けても、浄化したり工場内で循環使用するよりも安く製品が作れる。結果、放っておくとどの会社も廃液を流し放題にする。「自分の会社が少しくらいやったって大丈夫だろう」という理屈である。でも、みんなが同じことを続ければ、川は汚れ、汚染された魚が食卓に並ぶことになる。

高度成長期の日本の公害病問題や今の中国での水質・土壌汚染などの公害が良い例である。

ではどうすればよいのだろう?ここで政府の登場である。規制緩和は経済の発展には大切だし、個人的にも規制という言葉は好きではない。みんなが自社の利益を追求するからこそ、技術開発が進み、便利な商品が世の中に出回るのである。ただ、公害から社会を守り、社会全体の利益を上げていくには規制が必要である。

公害の原因を作り、環境破壊をする企業は、社会悪として高額な税金やペナルティを課したり、そうならないよう指導することが必要である。また、積極的に環境保護を進める企業には補助金を出しても良いのかも知れない。先の例では、警備会社のステッカーには高額な税金をかけて、赤外線装置よりも高い値段にしても良いだろう。

また、政府による規制の次の段階として、世の中の価値感を変えてやることも良い方法だと思う。つまり、「環境に優しい作り方をしている商品は良いものだから少し高くても買おう、環境に優しい企業の作る商品は少し高くても買おう。」という価値観である。環境保護というのを商品の価値の一部してしまうのである。いわば「環境ブランド」である。

そうすると、当然どの会社も環境に優しい作り方をするようになり、その中でも価格競争が起きるので、どの会社もより効率的に環境に優しい方法で工場を動かす方法を考えるようになる。

しかし、環境ブランドはどの企業も目指す方向が同じであるため、より差別化するには、プラスアルファが必要になる。自社の環境保護は他社と何が違うか、どうやって違うアピールをするかである。こうした方向性が広告だけでなく、企業活動にどう反映されていくか注目したい。

おそらく日本を初めとする先進国は、今は、政府は規制を強化しつつ(欧州のROHS規制など)、企業の間では「環境ブランド」の発展段階にあると言えそうである。一方、最近、環境問題が注目されているエマージング市場はその前の規制の導入時期(中国の環境も規制もいよいよ来年から始まりそうである)にあると言えそうである。

企業の積極的な環境問題の取り組みのためにも、より一層、消費者の選別眼が鋭くなり、製品に入っている部品や外食・昼食産業の素材にもこうした視点から商品選びがされていくよう期待したい。

☆ ところで、今日は、今話題の某社の人が会社の説明をするというので待っていたら、いきなり話題の社長本人がいらしてびっくりしました。忙しくてもアポの中身はちゃんとチェックしないとと反省しました。こういうことってたまにあるんですよね。

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2007年6月21日 (木)

環境を守ってさらにハッピーになるには ~ 目指せ!環境立国

数日前、安倍晋三首相と昭恵夫人が出演した温暖化防止キャンページの新聞広告に、民主党の議員から、「参院選を前に、税金を支持率引き上げのために使っている」、「キャンペーン費用が高額過ぎる」との抗議質問があった。

1億6500万円!という金額だったようで、確かにこれはムダ使いと言われても仕方がない。支持率が就任当初の70%台ならともかく、30%台に落ちてしまっている首相夫妻が宣伝しても効果のほどはどうかと思うからだ。

ただ、温暖化防止のために、国民一人一人の意識を高めることはすごく大切で、広く国民に分かってもらうためにメディアを利用することは効果があると思う。

以前、小池元環境大臣の講演を大臣当時に聞いたことがある。さまざまな環境テーマについて話され、大臣は、「日本語の『もったいない』という言葉は日本独特の感覚で、これを世界に普及させたい」と語っていた。「環境問題では日本が世界にリーダーシップを示したい」という意思表示でもあり素晴らしいと思った。

環境関連では、ハイブリッドエンジン、ディーゼルエンジンに使われるDPFと呼ばれる部品、太陽電池、燃料電池、原子力発電、水処理技術など、日本企業がかなりの、あるいはある程度の強みを持っている分野がある。また、自然の征服ではなく、自然と人間の共生という姿勢は、昔からアジア地域の文化の特徴でもあると思う。そうした点から日本が環境外交でのリーダーシップを取りたいという気持ちはよく分かる。

京都議定書に調印しなかったアメリカも、イラク問題で失敗した大統領が人気取りのために環境問題を口にし始めている。この環境というテーマは、良い・悪いという情緒的な解釈をされやすいので、政治に利用されるのは仕方ない。それでも、結果として地球環境の保護と改善につながれば、それはそれで素晴らしいことだと思う。

多少気になるのは、日本政府の姿勢が、市民の啓蒙という視点にかたよっていることである。欧米諸国の中には、環境に対する世界的な関心の高まりを、自国にとってのチャンスにしようとしている感が強い。それは外交上のリーダーシップを取る取らないということ以上に、環境関連で新しい産業革命を起こそうとしている気概すら感じる。つまり、環境関連で経済成長を、雇用の拡大を。ということである。

江戸時代には、あくせくお金のために働くのは美徳とされていなかったと感じる。今ももしかすると、「地球を守るためにお金をもうけるのは良くない」という風潮がありそうだ。正義にお金がからんではいけないのかも知れない。ウルトラマンや仮面ライダーは確かに怪獣を倒した後、請求書をおいていくことはしない。

話がそれたが、日本の政治家の環境保護推進の中心は、倹約しながら環境を守ろうというものである。もちろん、これは市民一人一人ができる大切な取り組みである。私は、忙しいとビニールゴミも「ま、いっか」と普通のゴミと一緒に捨ててしまったりする。また、週末には公共の交通機関よりついつい車の運転をしてしまう。などなど。そのため、ちゃんと環境を考えて生活している人を見ると、本当に「偉い!見習わなければ」と猛省することが多い。

一人一人の意識を高めるための政府の役割は大きいと思う。しかし、日本の場合、こればかりのように感じられるのが気がかりである。外交でも、大臣が他国の市民に「白熱灯を蛍光灯に替えましょう」と言うためだけのリーダーシップにならないだろうかと心配になる。

欧州は、風力発電や太陽電池などで覇権を取りたいと思っていそうである。台湾も液晶の後の産業として太陽電池に狙いをつけているようだ。アメリカはどうするのかと思うが、日立と提携したGEが原子力発電プロジェクトで大半の利益を取ってしまおうとしているのではないか?と思うこともある。同じ原子力分野では、フランスのアレバと提携した三菱重工もちゃんと利益を上げさせてもらえるのだろうか?杞憂ならよいが心配してしまう。

外交が下手だと言われる日本。国内で環境広告に集中している間に、世界では産業革命が起こり、幕末と同じように、気がついたら黒船に襲われた、という事態にならないよう、政治家にはがんばって欲しい。がんばっている日本企業を後押ししてあげられるような産業政策をお願いしたい。野党の方々にも与党に対して、広告についての抗議だけでなく、雇用確保や経済発展につながるような産業政策についての議論をぶつけて欲しいと思う。

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2007年6月 7日 (木)

まさに泥試合。

Hoya・ペンタックス問題も一段落したので、頭の体操を兼ねて、先週くらいから個人的な関心でTBS・楽天問題を考えている。こちらはこれからがクライマックスである。

昨日は、楽天がTBSの会計帳簿閲覧で仮処分申請し、TBSはこの要請に拒否反応を示し、法廷闘争にもちこまれるとのこと。両社の関係は一層こじれて泥沼の戦いになりそうな印象。

一方、今日は東京新聞1面で先月の楽天・TBS両社長の際に三木谷社長の社外取締役就任を条件にTBS株を売却する可能性を示唆したと報じているらしい。このため、今日のTBS株は2%余り下落した。

TBSは楽天に株式放出を求めている。一方、4月に楽天はTBSを持分法適用会社にして自社の損益にTBSの利益を反映させるべく、20%超までの買い増し意向を伝えている。それを受けて、まず楽天はTBS株を買い増して、保有比率を19.07%から19.86%にまで引き上げた。

また、本日夕刻には楽天が、TBSからの3度目の質問書に回答したと発表している。楽天の20%超への買い増し意向についてのTBSからの質問は29項目に渡っていたとのことである。楽天は誠実に回答したとしているが、内容の詳細は明らかになっていない。TBSはこの資料を買収防衛策発動の資料として企業価値判断特別委員会に提出する予定である。

こうした流れを考えると、今回の東京新聞の報道は疑わしい。いくらなんでもこのタイミングで売却はありえないと思う。今後も28日のTBSの総会を前にしてさまざま出てきそうな憶測の中の一つということだろう。

確かに今のままでは、楽天も解決策が見えない袋小路に入り込んでいるように見える。個人的には、TBS株1,400億円は回収して他の事業に投資した方が良いのだと思う。しかし、おそらく楽天内では少なくとも創業者である社長は今でも、TBS問題に積極的に見える。そのため、法廷闘争までしようとしているのだろうし、総会まで、また総会後にもさまざまな攻防がありそうである。

株価ということで考えると、楽天がTBS株の買い増しをすればTBSの株価は上がり、TBSが買収防衛策を発動するか楽天が売却を決めればTBSの株価は下がる。その場合、どちらかと言えば、楽天株は逆に動きそうな感じである。

今の時点で、新しくTBS株を買いか売りかを考えるのは避けた方が良さそうだが(長期的には赤坂プロジェクトを考慮しても、かなりプレミアムがついているように感じるが…)、もし、すでに保有してしまっていたとしたらどうだろう?現在、おそらく水面下では、両社のアドバイザーをしている投資銀行などはどうやって決着させるかの和平案を考えているだろう。しかし実際にTBS株を買い増すか売るかは、三木谷社長の一存で決まりそうで、社外の観察者がどちらに転ぶかを期待するのはかなりのギャンブルであるようにここ数日で思えてきた。本来なら継続的に出てくる憶測の中で株価が少しでもはねたら売却して、後は株価が上下しても経緯を見守るくらいがいいのだろう。

それにしてもこれから事態はどう転ぶのだろうか?続けて観察してみようと思う。

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2007年6月 5日 (火)

「ワンセグ携帯電話」やはり単なるテレビ付ケータイか?

3月に携帯電話をP903iTVに切りかえて、3ヶ月が経った。使っていて、これは本当に将来的にデータ通信量の増加や、通販収入の増加につながるのだろうか?とかなり疑問に思ったので覚書き。

いきなり余談だが、そもそも今回携帯電話を買いかえるときには、AUに同番移行しようかと思い、ナンバーポータビリティーの番号取得までやった。購入候補はW52T。ワンセグ、ブルートゥース、そして3インチ液晶でスライダータイプ。いいな欲しいな、と端末発表直後から思っていたのである。

しかし、強気の値づけ、機能面でも実はレスポンスがあまり良くないらしい、テレビの受信感度がイマイチなどとややネガティブな噂を聞き、同じブルートゥース&ワンセグなら、と選んだのが今回のドコモのP903iTV。ブルートゥースがついていて、しかも、ワンセグのアンテナ感度も良いということだった。普通のアンテナに加えて、本体に内蔵されたアンテナもついている「合成ダイバーシティ」、とにかくテレビの受信感度が良いらしいという話だった。

で、買ってみて3ヶ月使った感想。

ブルートゥース機能
まず、ブルートゥース機能。ブルートゥース機能付を買ったのは初めてだが感心した。携帯電話を持って車に乗るだけで、何もしなくても自動的に自動車電話に切り替わり、ハンズフリー電話ができる。前の携帯電話はブルートゥースなどついていなかったので、かなり面倒な手順を踏まなくてはならなくなった。「面倒な手順」と「簡単な操作」には大きな差がある。加えて、「簡単な操作で」というのと今回、「何もしなくても」というのは天と地の差である。

2000年頃に東芝本社で確か完成直後のブルートゥースの電波実験を見た時の感動を思い出すほど感心した。しかし、残念ながら、日本ではブルートゥース端末はあまり普及していないが(各社各世代1機種程度だろうか?)、どうしてこんなに便利なのに…。と思うほどである。多少のコストアップ要因かも知れないが、ぜひキャリアはブルートゥース付を標準化して欲しい。

ワンセグ機能
確かにP903iTVのワンセグの感度は良い。友人が買ったSH903iTVと横に並べて比べたが、SHは時々ブロックノイズが出るような時にも、かなり鮮明なテレビ映像が見れた。液晶はSHの方がきれいなはずなのに、テレビはこっちの方がきれいじゃんと思わず得意になってしまった(笑)。場所も意外と色々なところで見れるなぁと感心している。ただ、あまり雑踏の中でテレビを見ているのは格好悪いと思ってしまうのと、また、日頃ほとんど外に飲みにもいかないのでサッカー中継を居酒屋などで見るということもない。結局、オフィス周辺や自宅程度だが(笑)。

ちなみに、ワンセグ携帯を持っているとよく「テレビ見るのはいくらかかるの?」と言われることがある。ワンセグも普通の地上波テレビ放送なので、もちろん無料である。

もうひとつ意外と便利なのがタイマー録画機能。マイクロSDの2GBを入れているのだが、画面が小さいこともあるので、一番組のデータ量が小さくて済むため、かなり大量の番組を録画しておくことができる。

今のワンセグ放送は、テレビ向けの放送と全く同じ番組を放送している(いわゆるサイマル放送)。しかし、2008年からは、携帯電話独自番組の放送が開始される。この変化をチャンスと捉えて何らかの形で収入を増やそうというのが、ドコモなど携帯キャリアの思惑である。そうでなくては、ワンセグ機能追加で1万円のコストアップはあまりに悲しい。

例えば、ワンセグ放送のドラマで気になる曲が挿入歌として流れているとする。テレビ画面の下にブラウザがついていて、そこをクリックしていくと通販サイトに飛ぶ。その通信料に加えて、通販をした時には決済手数料なども得よう、というのがドコモなどの算段なのだと思う。

また、もっと強気の関係者は、テレビ局にもメリットが大きいとする。通常のテレビコマーシャルの視聴者数の増加による広告収入の増収効果。それだけではなく、インターネットのポータルになることでヤフー並みのネット広告が得られるという意見。

しかし、今のところしばらく使ってみて思うのは、どれも無さそうだなという悲観的な感想である。オフィスでの大残業時や自宅のテレビのない部屋で見る場合、私の場合、何かをしながらテレビ(携帯電話)を置いてみるのである。従って、「ながら」視聴が多く、わざわざキーボードを触ってテレビ画面の下の小さいブラウザで何かをしようとは思わない。リビングのテレビを見ながら無線LANのノートPCで調べものをするのとは少し使い勝手が違う気がした。

しかし、こうした感想は、私が普段からノートPCばかりのPC派で、携帯を使いこなしていないからかも知れない。最近の携帯電話小説の話を初めて聞いた時にも、私にはにわかに信じられなかった。また、PCを持たず、インターネットは携帯だけという人も多いという。こういった層はやがて、自宅にテレビを買わずに、携帯電話でテレビ放送を見ながら、携帯インターネットをするのだろうか?ただ、少なくとも私のこれまでの短い経験では、まだワンセグに携帯キャリアと放送事業者の明るい未来を見ることは難しそうである。

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